2019年【純米酒BOWL】贅を尽くした蔵元と料理人のおもてなし

 もくじ

・純米酒BOWLとは

・辨天娘 × 食酒笑にこらす

・いづみ橋 × アルヴェル

・篠峯 × 貝と魚と炭ビ シェルまる


・日置桜 × まるぼうず旬仙

・扶桑鶴 × George小福(2店連合軍)

・竹鶴 × GABU

・玉櫻 × シマウマ酒店(3店連合軍)

・陣屋 コイクマ × 大石屋


・フリータイム


料理人と蔵元のコラボイベント。

純米酒BOWL

沢山の日本酒イベントがある中で、会費7500円の日本酒イベントは、会費だけで参加を見送るという人も多いでしょう。

わたしも正直悩みましたが、『チケットあと1枚ですよ』と連絡があったので、ありがたく参加させていただくことにしました。

すごい会でした。

人気の日本酒居酒屋8店舗と、北は福島、南は島根までの8蔵元が集結し、来場したひとりひとりを丁寧にもてなす会。


お料理とお酒は、蔵元さんと酒販店さんが1品1品席までサーブしにきてくださいます。

蔵元さんが会場へいらっしゃって、来場者側がお酒を貰いに動くスタンディングのイベントは毎週のように仙台市内で開催されてますが、純米酒BOWLでは来場者が座りっぱなしで、蔵元さん自らがひとりひとりにお酌をしにまわります。このような会は、わたしが知る限りでは他にはありません。


それだけでなく、この当日の為の準備は計り知れません。


8店舗、8蔵。それぞれが1組としてタッグを組み、料理人が遠い地の蔵元へ、蔵元が仙台の料理人の元へ足を運び、ミーティングを重ねて最高のマリアージュをつくり上げます。

【蔵元×料飲店】

・辨天娘 × 食酒笑にこらす
・玉櫻 × シマウマ酒店(3店連合軍)
・篠峯 × 貝と魚と炭ビ シェルまる
・竹鶴 × GABU
・日置桜 × まるぼうず旬仙
・いづみ橋 × アルヴェル
・扶桑鶴 × George小福(2店連合軍)
・陣屋 コイクマ × 大石屋

※蔵元は代表銘柄にて御紹介。

【サポートスタッフ】

・和醸良酒 ◯たけ
・嘉肴萬菜 ◯いけ
・魚18番
・居酒屋ちょーちょ
・夜ノ焼魚 ちょーちょむすび
・焼肉 泰山
・國酒 酉とも
・和処 橙
・マルシェマン
・ばるどら
・日本料理 ゆう
・松ばる(石巻)
・暖だん(八戸)
・鶏せんぼん(相馬)
・燗酒ノ城🏯(南福島)
・吟(新潟)

【協力】
・日本酒ゴーアラウンド仙台
・一心 加減燗
・(株)サンシン
・kalipoa

【DJ】
・AC⚡︎DJ

【主催】
・上杉 池田酒店

8店舗、8蔵とありますが、来場者112名に対し、こんなにも多くの人たちの手によってつくり上げられています。実際には記載された店舗から、それぞれ数名がサポートをしています。

30分遅れて着きました。席まで案内してくださったので安心しました。

この会は2回か3回目の参加ですが、全席着席、座る席もひとりひとり決まっていて、来場時間にはこのようにセッティングされています。仲の良い常連さんと隣同士など、席順にも気を配られています。

今回は、前回一緒に参加した、にこらすのカウンター仲間こーたろーも来ると言っていたのに、直前になってバックレました。

裏切者が。

わたしは前日15時から23時まで友人宅で呑んで居り、帰り途中友人がかまってくれないからというだけの理由で当たりちらすほどの酔っ払いで、翌朝にはふつか酔いでしたが、この会をこーたろーの分まで全力で楽しむことに決めました。

・辨天娘 × 食酒笑にこらす

1品目は、食・酒・笑 にこらすさんのお料理です。

お店には恋愛運と性欲アップでバッキバキになると噂の 仙台 ぶり子 の名刺

も置かせていただいています。
わたしもあやかりたいものです。性欲が足りないのです。

先週もお店に行きました。今週も行きます。

柔らかく炊かれた穴子はそれだけでも充分に美味しいのですが、酸味控えめでミルキーなチーズが添えられていて、キリッとジューシーな酸がきいた橙の搾り汁のジュレと、穴子のツメを混ぜたソースをアクセントに一緒にいただきます。山葵が味を引き締めます。

ジュレですが、『派手過ぎるし絡みにくいからなくても良さそうです』と言ったら、店主が泣きそうですが、お店で更にアレンジしたものを食べてみたいです。

とても素敵なチロリなので、販売しているのかと蔵元さんに尋ねたところ、錫(すず)製の辨天娘オリジナルちろりで、もともとはご自身の結婚式の引き出物のためにつくっていただいたものなのだとおっしゃっていました。

純米酒BOWLの主催者である池田酒店さんで販売されているそうです。

燗酒を、炙ったアゴの煮干しで取った出汁を煮詰めたものと合わせていただきます。

素直に美味しいと思いました。凝縮されたアゴ出汁は香りも風味も強いのですが、キレイで臭みなく、お酒の力強さとマリアージュしていて、ほっこりとする美味しいスープになっていました。

面白いですね。なかなか経験できない呑み方です。

純米酒BOWLでは酒器の持ち帰りが可能なのですが、今回は純米酒BOWLの酒器に加え、こちらの辨天娘の酒器もいただきました。

合わせたお酒は、辨天娘 純米強力 生酛 28BY 25番娘 若桜産 強力 100%

繊細な雑味が旨味となり、しっかりとした力強さも感じられる辛口のお酒です。

・いづみ橋 × アルヴェル

2品目は、旬菜とワイン、和酒の店 アルヴェル

わたしは、こちらのお店に興味を持ちました。

精米歩合65%の山田錦と食用米を半分ずつ使用してつくられた、山田錦のポルチーニリゾットを詰めた自家製サルシッチャ。

山田錦はリゾットにしたときに芯が残るので、食用米と半分で作ったそうです。

分厚い芯が感じられるリゾットです。豚肉の旨味をたっぷりと含んだリゾットは、ポルチーニの香りがふんわりと香ります。牛タンの食感と豚肉の脂と旨味が酒欲をそそります。

合わせるのは、いづみ橋 恵 赤ラベル

アルコール度数18度の原酒ですが、あえてアルコール度数15%まで加水をしてからお燗することにより、お料理に寄り添う味わいに調整したそうです。

円やかですが、酸味のあるお酒です。重ための脂がよくキレて、お酒によって美味しく引き算されているように感じます。

・篠峯 × 貝と魚と炭ビ シェルまる

3品目は、貝と魚と炭び シェルまる

貝料理と言えばこちら。女性ウケも抜群のオシャレ居酒屋です。

シェルまるさんのお料理は、色々な具材がゴロゴロと入っていて、様々な味のする冷製茶碗蒸しです。貝出汁も提供されました。これが美味しいです。

茶碗蒸し→だし汁→お燗酒

わたしはこの順番でいただきました。

にこらすのお燗酒にアゴ出汁を合わせたものもですが、お料理以上にお出汁と日本酒は合わせやすいように思います。美味しく凝縮した貝出汁は、まるでソースのようです。

茶碗蒸しと日本酒をしっとりと繋いでくれます。

冷製茶碗蒸しには枝豆・かぼちゃピューレ・トウモロコシなどの甘味が主張する野菜が多く入っていましたが、成るほど、甘味のある食材と篠峯のお燗酒がよく合います。

・日置桜 × まるぼうず旬仙

4品目は、まるぼうず旬仙

会場がざわつきました。

玉こんにゃくに酒粕とゴルゴンゾーラでつくったソースがかけられています。

この会で最も攻めのお料理だったと思います。香りの強いゴルゴンゾーラです。

合わせたお酒は、日置桜 生酛玉栄 純米酒。

生酛づくりで4年熟成の日本酒です。

古酒で、黄色く色づき特有の香味がありますが、ゴルゴンゾーラの風味が強く、酒の個性に負けません。香りの系統は同調していますが、ソースの香りが強いのと、玉こんにゃくにゴルゴンゾーラの組み合わせという衝撃でどちらかと言うと酒の印象が霞みます。

まるぼうず旬仙さんでは、おでんを出しているので、なぜ玉こんにゃくを選んだのかと聞いてみたのですが、いちばん合うそうです。おでんではありませんが、焼いたさつま揚げでもイケそうな気がします。

粕漬け玉子とらっきょうのサラダ。こちらも攻めています。味もですが、やはり香りが強いです。食感も面白い。

こちらのほうがお酒には合うように思います。

・扶桑鶴 × George小福(2店連合軍)

5品目は小福 & Geoge

この会の前日にわたしをふつか酔いにしたメンバーで、7軒まわった去年の日本酒Goアラウンド。行ったことのないお店で1番気に入ったのがGeogeさんです。

このホヤのお料理が美味しい。低温火入れのホヤに優しいお出汁の仙台茶豆でつくった泡と、にんにくのきいたクレソンのソース、蔵王のヨーグルトを添え、パリパリの青のりチップと凍らせて削ったホヤを乗せたお料理です。

わたしには全く想像の出来ない味の共演ですが、全て合わせていただくと、驚くほどに調和します。美味しくいただきました。青のりチップも欠かせません。

巻物はプチプチとした食感で、刻まれたホヤが入っています。食感・香り・味わい、どちらのお料理も面白く美味しいく、お酒にも合います。お料理が美味しいです。

合わせたのは、65度の高めにお燗した 扶桑鶴 特別純米酒 です。
燗冷ましが良いです。

ホヤは時には日本酒の苦味を増してしまうこともあるのですが、円やかな甘味という良い形で、わかりやすく風味が変化するのを感じられた面白い経験でした。

・竹鶴 × GABU

6品目は GABU(ガブ) さん。
パルマ産生ハムと田子町産黒にんにくのブルスケッタ竹鶴の香りのカラメルソース。

このお料理は、香りだけで、注がれた竹鶴に合うことがわかりました。

合わせるのは 竹鶴 小笹谷竹鶴 純米原酒

竹鶴の酒粕をマリネしたカラメルソースが、キレイに熟成してカラメルの香りをもつ竹鶴と見事にマッチしました。

味わい・含み香も、黒にんにくによってより竹鶴に寄り添う風味に仕上がっています。素晴らしい。


わたしは古酒が苦手で、人によってはカラメルと言う香りでも醤油と言い放つくらいに老香が苦手なのですが、この竹鶴には感動しました。

蔵元さんのお人柄も素敵です。
古酒が苦手だが、このお酒は美味しいと話したところ、こんなお話をきかせてくださいました。


江戸時代、酒税が取り入れられる前は、熟成させた日本酒が美味しいと熟成古酒がつくられていたそうなのですが、明治時代以降、酒税(酒を造ったときに発生する造石税)が取り入れられると、早く売ってお金に換えてしまいたいという酒蔵の策で、『新酒が美味しい』と言うような形で売り出し、熟成させた日本酒はほとんど失われ、美味しく熟成させる手法そのものもわからないというようなことになってしまったようです。
(現在の酒税法は庫出税といって、販売するために蔵出しするタイミングで税金がかかります)

最近では江戸時代に行われていた生酛づくりを復活する蔵元も多く、昔の造りが復元されるようで面白いですね。様々な事情で変化してきた日本酒が、始まりに帰る。こんな歴史的瞬間を味わい知ることが出来るのが嬉しいです。


お酒の味わいは、香りはカラメルなどの濃厚な甘さがあるのですが、実際に呑んでみると甘いということも辛いということも無く、サラリと旨味が溶けて、押し付ける所のないどこまでも優しい味わいです。

これは購入したいですね~。素晴らしいお燗酒でした。

・玉櫻 × シマウマ酒店(3店連合軍)

7品目を手掛けるのは、みんな大好き シマウマ酒店 さん。

ザクザク食感のナッツが入った痺れのきいた麻婆豆腐は中華料理店顔負けの本格麻婆。
スパイシーで深みのある味わいで素直に美味しいです。

正直、日本酒じゃなくても、ごはんにも、ビールにも、レモンサワーにも合わせたいお料理。

この画像を見ながらでもレモンサワーが呑みたいです。

合わせたのは、 玉櫻 生酛純米 山田錦 にごりver.

+10度の辛口酒ですが、お燗されたふくよかなにごり酒はスパイシーなお料理に甘味を引き出され、マリアージュします。ナッツの甘さやオイリーな香ばしさとも相性が良いです。

舌が痺れました。パンチの強い美味しいお料理でした。

夏でもお燗酒をオススメしますと玉櫻の蔵元さん。ステッカーをいただきました。

お燗酒は悪酔いしにくく、夏バテにも良さそうです。是非、暑い夏や夏バテの季節こそ、じんわりとお燗酒を楽しみましょう。

・陣屋 コイクマ × 大石屋

最後の一品です。8品目は、 大石屋 さん。

豚ひき肉のキーマカレー、和牛ほほ肉のトマト煮込み、蕎麦の実と味噌の大葉巻きの3品です。
トマト煮込みは女性ウケ抜群でしたね。

美味しい、行ってみたいと言う声が聞こえてきました。

合わせたのは最近よく見かける コイクマ 生酛純米無濾過生

こんなに可愛いラベルをしていて、実はゴツイという感想を抱く友人が多いのですが、こうして骨太ガッチリ系日本酒ばかりを呑んでいると、その味わいまでもが可愛くみえます。

ここに来て初めて、呑みなれた

チョイ甘・旨口濃厚酒

の登場です。和牛ほほ肉のトマト煮込みでは甘旨濃厚同士でマリアージュ。

なんと、最近気になっていた陣屋さんのお酒でした。クマに化けていたので全く気が付きませんでした。

・フリータイム

全8品。どれも新しい発見のあるマリアージュをゆったりと楽しむことができました。

どうもこの会に参加されているのは日本酒ガチ勢と呼ばれる勉強熱心で詳しい方々ばかりのようです。わたしの席の周りだけでしょうか。積極的に質問されていて、黙って聞いているだけで勉強になりました。

好みのタイプは竹鶴さんと辨天娘の蔵元さんですかね。


ジャズの生演奏と同時にフリータイムが始まります。

ふつか酔いなのでジブリの曲を聴きながらしみじみ黄昏ていましたが、皆さんが、各蔵元さんの元へ行ってお酒を呑んだり、食べるのに間に合わなかったお料理でマリアージュするのを見て、写真だけでも撮りに行こうという気になりました。

辨天娘さん・・・激しくブレてすみません。美味しかったです

陣屋の蔵元さんが見つけられませんでした。いらっしゃっていたのでしょうか。

ラベルが可愛いですね。フルーティーなお酒を連想する方が多いようですが、ふくよかで旨口濃厚と言う意味では、このイラストのイメージ通りなのではないかと思います。

玉櫻は骨格がしっかりしていますが、優しさも感じられる味わいでした。

タッグを組んだシマウマさんへ取材に行きたいです。友人と完全オフでしか行ったことが無いので、行ってもただ呑んで帰ってきてしまいます。

良い店です。

合鴨が害虫駆除や除草をして、減農薬もしくは無農薬で稲を育てた合鴨農法米というものもありました。東北では新政のパフォーマンスが目立ちますが、竹鶴さんも熟成や合鴨農法など、面白い取り組みで全く違うタイプの酒質で惚れました。

社長にも惚れそうです。

扶桑鶴さんも大人気です。人が凄い。
そう言えば、以前、扶桑鶴のにごり酒でソーダ割したものが爽やかな香りで美味しかったな。

日置櫻さんは、ワインを買いに行く八幡の佐藤商店さんで時々購入しています。

篠峯は最近は6合酵母を多く使っているそうです。全体的に甘口だと思っていて、お燗のイメージは無かったのですが、今年は見かけたら呑んでみたいと思います。

イイ男。

泉橋さんは今年はとんぼスパークリングをいただきましたが、程よい旨味でシュワシュワ美味しかったです!!

最後は、和醸良酒 まるたけ店主のタケさんの伊達の一本締めで閉会となりました。

良い会でした。8店舗8蔵がタッグを組み、マリアージュを極めたひとつのフルコースをつくり上げる、傑作です。またの機会がありましたら、次は万全の体調で贅沢な時間を楽しみたいと思います。

長文お疲れ様でした、自分。

お酒は、20歳になってから。のんべーほど、酒量はほどほどに。