日本酒にマニュキュア香?熟れたバナナ香 酢酸エチルと酢酸イソアミルという香気成分について


お酒の感想を書いていこうと思ったのですが、脱線して長文になってしまったので別に投稿することにしました。ある香りについてです。


バナナやメロンのような華やかな果実香。これは酢酸イソアミルという香気成分で、日本酒の代表的な吟醸香のひとつです。日本酒仲間の中では酢イソ系とも呼ばれています。


この酢イソ系ですが、中には酢酸エチル、セメダイン臭と呼ばれる香りを感じさせるものもあります(経験上、華やかな酢イソ系に多い)。酢酸エチルは実際にメロンやバナナ、パイナップルにも含まれるエステル(香気成分)ですが、多くのマニキュアにも含まれています。

男性よりも女性の方がセメダイン臭には敏感なようで嫌がる人が多いですが(たぶんマニキュアを使うから)、気にならない人はこれを良い香り、フルーティーとしか感じないようなのです。

自分だけがオフフレイバーと感じていると悩みました。

『これマニキュアじゃん』と思っていても、みんなは「フルーティーで、いい香り」と言うので、何を良い香りと感じているのだろうかと、よーく嗅いで思いつく限りの果実を思い浮かべていくと熟れた(腐りかけの)バナナでした。確かに、熟れたバナナであれば華やかな果実香です。


老香と熟成香の感じ方も、わたしが醤油のような老香と思うものをキャラメルと感じる人もいますし、呑んだ人にとって心地が好いものであれば、消費者としてはオフフレイバー(お酒にはないほうが良いとされるマイナスの香り。日本酒は味も香りも減点方式です)とは言い切れないとわたしは思っています。

例としてある銘柄を挙げたいですが、やめておきます。とてもファンの多い人気酒です。

セメダイン臭と認識しない人(利き酒選手権でも良い成績をおさめているかた)から「熟成させれば消える」「保存状態が悪いのでは」と言われて何度か試してみましたが、購入したお酒もお店で呑んだものも酒屋さんで寝かせたものからも、マニュキュア香(セメダイン臭)を感じました。


この銘柄のある福島県では他の蔵のお酒でも似た香りを感じているので、福島県で多く使用されている酵母由来の香りではないかと思います。この香りがあるものは共通して、舌触りは滑らかでするするとしていて、キレイな味わいであることが多いです。

わたしにとっては一長一短で「味は滑らかで雑味が少なく美味しいんだけど、香りが苦手だな~」と思って呑んでいます。

福島の場合は麹が原因かもしれないという蔵人さんや、わたしのようにイソアミル系の酵母由来だろうと言う杜氏さんがいらっしゃったので、一概に酵母だけが原因とは言えないのですが…。
酵母由来で酢酸エチル、セメダイン臭が出ることがあると言う事です。

もちろん他の県、銘柄にもよくあります。


今回は酢酸イソアミルと、酢酸エチルについてのお話でした。

機会がありましたら、カプロン酸エチルなどについても書いていこうと思います。