【天の戸 森谷杜氏】酒は人を喜ばせるもの。しあわせにするもの。そして、人をつなぐもの。


昨日の朝、しばらく交流のなかったSNS上の日本酒仲間から、『天の戸の、森谷杜氏がお亡くなりになったそうです。』と連絡がありました。


その後すぐ、7月30日(火)に両側性急性肺血栓塞栓症により永眠されたと、公式ホームページでのお知らせがありました。享年62歳です。


お亡くなりになった、永眠されたと聞いたときには実感がわかず、信じられませんでした。

去年お話したときには、あんなに元気で、つい先日も玉川のハーパーさんとお酒の会をされていたし、いつものように美味しいものを食べて、美味しいお酒を呑んだとFacebookでも投稿されていました。

ひとりで献杯していても、悲しくなるだけだろうと思い、昨晩はいつものお店で天の戸を呑みました。そして、わたしが天の戸のお酒が好きだということをよく知る日本酒仲間がいる場所に、こう投稿しました。

天の戸の香り。どの蔵にも癖があるし、わたしにとっては、天の戸のお酒には特に癖があるのに、今日のんだ美郷錦のランドには癖が少なくて、すごく、美味しいのだけれど、寂しいような。

でも、旨味には天の戸らしさがあって良かったし、カウンターに親しく知った明るい人が居て良かった。

酒は嗜好品だし、消えてなくなる。同じ人が造っても、毎年違うし、タンクでも違う。イキモノだから。だからこそ、温かさを感じる。

わたしは、悲しく、落ち込んだときも、幸せなときも、盆も正月も、大切なときにはいつでも、天の戸に寄り添ってもらった。こころ ほんのり 純米 天の戸 しみじみ感じながらほっとするお酒。

森谷杜氏のことを聞いて、悲しく、寂しく、本人だって、明日も頑張ろうと、そんなふうに当たり前に過ごしていたのではないかなと考えると、やりきれない気持ちになります。

なにか、出来ることはないかな。森谷杜氏が大切にしてきた天の戸を、そばに居て一緒に今の天の戸を造ってきた社長と蔵の人たちを、信じて応援すること以外には、思い付きません。

*******************


森谷杜氏がつくる天の戸のお酒は、素朴で温かいお酒です。どんなときにも優しく寄り添ってくれるような、わたしにとって、特別に大切なものでした。



わたしは、今では秋田の地酒をメインに各地の日本酒を飲んでいますが、もとは天の戸のお酒ばかりを呑んでいました。


今のわたしに繋がるお酒に出会ったのは、9年前でしょうか。半径5キロ以内の米しか使わないというドメーヌ的発想の酒造りに加え、2011年の仕込みからは全量純米蔵となる、その前後でした。


秋田では新政が純米蔵として有名ですが、2010年には白瀑、2011年には天の戸も全量純米蔵となっています。(新政は2015年です。2005年、黒麹仕込みの日本酒を初めて醸造・販売したのは、天の戸の森谷杜氏です。他にも白麹仕込みの日本酒もつくられていたりと、様々なことに挑戦されていました)


スーパーで購入した、【特別純米 美稲】 常温管理の火入れ酒を初めて呑んだときが始まりでした。

「優しくて美味しい。日本酒って、こんなに美味しいものだったのか。名前も素敵だな。美しい稲と書いて、うましねかぁ」

わたしはそれから美稲ばかりを呑むようになりました。


そんなわたしが発信したSNSの投稿により、ひとりの日本酒仲間に出会い「もったいないよ、他のお酒も飲んでみて」そうすすめられて、スーパーにある天の戸のお酒を全種類呑みました。

初めてできた日本酒仲間でした。(今でも連絡を取り合い、日本酒の情報交換をし、会うこともあります)


そうすると今度は、天の戸をつくる浅舞酒造の近くに住む人が、「天の戸の蔵見学がありますよ。参加してみませんか」と、ある投稿にコメントをくれました。


わたしは、そのイベントの詳細を知り、参加するために、Facebookを始めることにしました。


初めての蔵開放に参加して、森谷杜氏、柿崎社長、そして、今も繋がりのある人たちと出会います。

イベントを教えてくれた彼と、イベントの主催者さんの2人しかいなかったわたしのFacebookの友達欄に、車で30分ほどの距離に住む何人かの友達も加わりました。

その頃には、天の戸の特約店である高留酒店さんで、天の戸のお酒を購入するようになっていました。高留酒店さんには、それから毎年、年末年始に呑むための天の戸のお酒をお願いしています。


その後も・・・




書ききれません。

書きたいことは、沢山あります。


今日のわたしに繋がる出会いは、天の戸に出会ったことがきっかけです。
その出会いが広がり、今日まで出会った沢山の人達の言葉や背中に助けられ、成長し、勇気を貰い、他にも沢山の大切なものを受け取りました。



感謝しています。


きっと、森谷杜氏には、まだまだ、もっと挑戦したいことが、みんなに呑ませたい酒が、見せたい景色があっただろうと思います。



『酒は人を喜ばせるもの。しあわせにするもの。そして、人をつなぐもの』

最近の森谷杜氏のFacebookへの投稿にあるこの一節を読んで、やはり、不思議な縁を感じました。

森谷杜氏が感じてきたのと同じように、わたしも天の戸のお酒を呑むうちに、自然とこう感じ、言葉にしていたのです。



わたしには何が出来るのか。

わかりません。でも、今はこのブログやイベントを通して、また、わたし自身を通して、多くの人にこの言葉を届けたいです。

日常のちょっとした喜びやしあわせ。特別な日はより特別に。つらい日は、穏やかに寄り添う。人と人とをつなぐ、懸け橋。


しあわせが広がると良いなと思います。

森谷杜氏、ありがとうございました。