今回は【飛良泉 飛囀(ひてん)シリーズ】酵母違いの3本の呑み比べをします。
30BYからの飛良泉について


30BYから現在専務であり、次代27代目蔵元となる齋藤雅昭さんが造りに参加し新しい風が吹いている飛良泉。
飛囀シリーズは今までの飛良泉にはない取り組みに挑戦するチャレンジ酒のようです。
秋田酒の中でも端麗で香りも落ち着いたイメージで、それほど印象に残るタイプではなくすすんで飲むことのない銘柄でした。
料理に合わせて居酒屋の店主に出してもらった飛良泉の山廃純米吟醸生酒がとても美味しかったことと、日本酒仲間から「今年の飛良泉は面白いよ」という話を始めに書いた事柄を含めてを聞いていたことで俄然興味が湧きました。
飛良泉・飛囀はこちらで購入できます。
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飛良泉 飛囀(ひてん) 鵠(はくちょう)


飛良泉 飛囀 鵠(はくちょう)
山廃純米吟醸
原材料名 :米(秋田県産)、米麹(秋田県産米)
原料米 :秋田県産 秋田酒こまち100%使用
酵母 :きょうかい酵母No.77
精米歩合 :麹米50%、掛米60%
日本酒度 :-24.0
酸度 :5.5
アルコール分:15度
株式会社 飛良泉本舗
秋田県にかほ市平沢字中町59
0184-35-2031
スペックを見るだけでワクワクしますね。
日本酒度-24というのもなかなか見ませんが、酸度5.5。
超甘口の超高酸度。
平均的というか、普通の日本酒はだいたい日本酒度+2、酸度1程度です。
鵠(はくちょう)のように、日本酒度マイナスの甘さを酸でスッキリとさせ、バランスを取る。
わたしが初めて呑んだそのようなお酒は、仙禽が初めてでした。花浴陽もそのタイプのお酒ですね。
さて、このお酒のお味はいかに・・・
グラスはリーデルの大吟醸グラスで飲んでいきます。
吟醸香はもちろん、オフフレイバーだけでなく、乳系の香りも拾いやすいようです。
香りはフレッシュプラムのような爽やかでほんのり甘い香り。乳の香りも感じます。
甘酸っぱく滑らかで軽やかなライスジュースのよう。今まで呑んだ日本酒の中では1番ワインのような日本酒で、サラサラ飲めます。
裏書きにあるように口に含んだときは軽やかなリンゴ酸が鮮やか。
中盤の綺麗な甘味と、小さな旨味の粒を酸と共に静かに受け止めた後に、キュンキュンとしたクエン酸が戻ってくるように残ります。
切れはよいのですが切れを迎え撃つように戻ってくる酸がおもしろく、癖になります。
うまいですね~。
好みは分かれるのでしょうけれど、わたしは好きです。
ピチピチとしたガス感はないのですが、後味はCCレモンのようなキュンキュンする酸味です。
山廃純米吟醸。日本酒度-24の稀に見る甘さと、酸度5.5の、飛び抜けた酸が見事に調和し個性的で美味しい日本酒に成っています。
開栓から10日経っていますが、全く崩れません。
飛良泉の繊細なようで芯のある山廃。惚れました。
派手な酒ですが、繊細さを感じる味わいは意外にいろいろな料理に合わせられそうです。
飛良泉 飛囀(ひてん) 鸙(ひばり)


飛良泉 飛囀(ひてん) 鸙(ひばり)
山廃純米吟醸
原材料名 :米(秋田県産)、米麹(秋田県産米)
原料米 :秋田県産 秋田酒こまち100%使用
酵母 :AKITA雪国酵母UT-2
精米歩合 :麹米50%、掛米60%
日本酒度 :-2.0
酸度 :1.9
アルコール分:15度
株式会社 飛良泉本舗
秋田県にかほ市平沢字中町59
0184-35-2031
鸙(ひばり)は数値的にはちょい甘、ちょい高酸度。
メロンや花のような甘い香りに乳の香りが混じります。
粘度のある舌触り。でも軽やかなのは15度の原酒だからでしょうか。
ねっとりとした粘度はありますが綺麗な味わいで、飲み干した後、忘れた頃にキュンキュンとした甘酸と渋味が来ます。
甘味はしっかりありますが、それをスッキリさせるくらいの酸。スッキリしているのに濃厚でサラサラ。山廃だからでしょうか。白麹を使用したお酒にも似たサラサラ感です。
不思議なお酒。
洋梨や焼きバナナを使ったケーキやブリュレやチーズにもあいそう。
チーズちくわと焼きハタハタで飲んでみたのですが、臭みが気になりませんね。食中酒です。
飛良泉 飛囀(ひてん) 雛(ひな)


飛良泉 飛囀(ひてん) 雛(ひな)
山廃純米吟醸
原材料名 :米(秋田県産)、米麹(秋田県産米)
原料米 :秋田県産 秋田酒こまち100%使用
酵母 :自社培養(オリジナル)
精米歩合 :麹米50%、掛米60%
日本酒度 :-2.0
酸度 :1.8
アルコール分:15度
株式会社 飛良泉本舗
秋田県にかほ市平沢字中町59
0184-35-2031
こちらもちょい甘ちょい高酸度。
爽やかさのあるマスカットに白いちじくのような香り。
乳の香りも強いですね。
オフフレイバー・・・とまではいわない、わたしにとってはギリギリ不快ではない、ヨーグルトのような香りというところです。
今のところはですね。(開栓から10日経っても崩れませんでした)
サラッと入るのですが、円やかな舌触りで甘さが乗り、広がります。レーズン様の酸味に追ってキュンキュンする酸と、苦み。
味わいの全体はフラットで派手さは控え目に感じるのですが、面白いお酒です。
この3本で最も甘さを纏った粘度を強く感じるお酒。
飛良泉 飛囀(ひてん)販売店と肴



今回、この3本をお願いした佐藤勘六商店さんでは、イチジクが有名。甘露煮も一緒に取り寄せしました。
飛囀シリーズでは、はくちょうが1番合います。
柔らかく歯ごたえもある甘露煮は、後に酸もあり、甘さを抑えた上品な味わい。お燗酒にも合わせてみたい。

冷凍していたハタハタを塩焼きしました。
日本酒でも臭みが気になりやすい肴ですが、臭みは気になりませんでした。
酵母違いで(はくちょうは白麹なのでその違いもありますが)全く違うお酒を楽しめる、良い時間になりました。
ごちそうさまでした。


飛良泉は山廃純米酒がおすすめです。わたしは無濾過生酒よりも普通の方が好みです。
あればぜひ呑み比べてみてください。食中にもぴったりです!
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お酒は20歳になってから。のんべーほど、酒量はほどほどに。