2018年12月に『備前酒造店』から事業譲渡を受け『株式会社 大納川』として新たなスタートを切った新生【大納川】
この投稿をInstagramで見るInstagram@dainagawa
この記事では大納川がどんな蔵なのかや、香りや味わいの傾向について書いていきます。
ちなみにわたしは初年度の仕込みから今まで、10本以上自宅で開栓後から数日の変化を見ています。
▽こんなのも書いてます▽
・定価で買える!【日本酒好き(ガチ勢)おすすめ地酒】ランキング
・日本酒好きが選ぶ【通販でも買える人気銘柄】47都道府県
・【個性的な味の日本酒】日本酒オタクがまとめた
天花を醸す大納川はこんな蔵
もともと大納川の経営を担っていた『備前酒造店』は、大納川の現社長である田中文悟氏が事業譲渡を受ける3年前より休蔵しており、そのまま仕込みをしなければ酒造免許が返上されてしまうという状況でした。
(酒税法上、3年続けて造りを休むと製造免許返上となる。めっちゃ勿体ない)
この投稿をInstagramで見るInstagram@dainagawa
そこで立ち上がったのが今の大納川を担う
『田中文悟 代表取締役社長』
阿櫻ほか複数の蔵元の運営・再生事業をしてきた経歴の持ち主
『稲上憲二 副社長兼営業担当』
日本酒ファンの間では元阿櫻の営業さんということで有名
『佐藤好直 杜氏』
もともと大納川の杜氏さんで、山内杜氏の資格保持者
この3人を中心としたメンバー。
しかし、3年近くお休みしていた蔵・・・
予想以上に状況は悪く、設備も整っていなかったそうで、正直、その状況は初年度に仕込んだお酒の香りや味わいから察するものがありました。
しかしながら、
・新規設備の導入
・蔵内衛生管理の徹底
・令和1酒造年度から全量純米造りに
・タンク貯蔵から瓶貯蔵に変更
品質管理と酒質の向上に力を入れ、今期は本領発揮。
今後、今期以上の酒質の向上が見られることを予想すると、面白いことになるのではと期待している蔵のひとつです。
大納川 天花の特徴
思ったままに書きます。あとで読み返したときに気を遣って書いた記事ではあてにならないので。。

初年度の仕込みでは、スモーキー、スパイシーな香りが目立ち、開栓後の変化も早く翌日には全く違う顔を見せるなどある意味かなり面白い経験をさせてもらった大納川 天花。
個性的な香りの奥に隠れた可愛らしい果実香と
開栓直後の秋田酒こまちの、柔らかく可愛らしい甘い香り、瑞々しく透明感のある味わいに期待を寄せて、今期も何本かいただきました。

まず、最大の特徴は天花は特約店向けであること。
そして『純米』『純米吟醸』『純米大吟醸』をアルコール度数15%の低アルコール無濾過原酒をメインに出しているというところ。
日本酒ファンのかた、ピチピチの無濾過生原酒とか大好きですよね。
アルコール度数も15%くらいだと日本酒らしいボディも感じられながらも飲みやすく好まれやすいのでは。
大納川 天花の香りの傾向
大納川 天花では現在、D-29という蔵付き酵母をメインに使用しています。
カプロン酸エチル、酢酸イソアミルでは、カプロン酸エチル系かと思いますが、実際には様々な香気成分から成っているので真面目に考えると学校通うレベルで勉強が必要。だいたいで。
ちなみに、大納川の蔵付き酵母は他にD-121というのもあって、こちらは酢酸イソアミル系で青りんごや洋梨のような香りを持つ酵母のよう。
D-121についてはこちら。
大納川 天花8(エイト)低アルコール原酒(生・火入)香りと味わい

天花(D-29)の香りの特徴は熟れた苺と、綿あめや飴玉のような甘い香りがメインで、人と状態(開けるタイミング)によってはりんごジュースやビスケット、バナナとも感じられるかもしれません。
もしかしたら今後パイナップル香も出てくるかも。この酵母でパイナップル出せそう。
華やかですが派手でなく、チャーミングで可愛らしい香り。同じ秋田県では両関の花邑に似た系統の香りと感じます。
開栓直後に大人しいな~とか、青りんごや洋梨のような香りがするなと思っても、数日たつと熟れ熟れの苺に変化しました。
含み香にビスケットのような芳ばしさを感じるけど、この酵母の性質なのか、環境によるものなのかは判別できない。(心地よく好みと感じる)
今後観察していく。
大納川 天花の味わいの傾向
火入れはほとんど呑んでいませんが、生酒ではグラスに泡付きあり。
微発泡感があり、香りと同調するように飴のような甘さが舌に乗ります。
クリアで瑞々しく、キュートでジューシーな酸があり、まるで果実にかじりついたような味わい。
ビターさや若干の渋みから味わいに厚みが感じられ、飲みごたえがあり食事にも合わせやすい。
酒器はワイングラスなど薄口のものでクリアさが増し、相性が良い。
カプレーゼやマルゲリータなどライトな洋食に合わせやすいかなと思う。

ちなみ今期の初しぼりと緑は、去年の搾りの名残なのか、上の特徴に加え若干のスモーキーさやスパイシーな香りが感じられ、味わいは飴のような甘みが乗りながらもサバサバとしたキレの良いお酒だった。
お燗も面白いかも。
開栓後の変化では、緑はフルーティーに香り、旨味も出て柔らかな味わいに。
白は生熟によりキャラメル、ラムレーズン、黒飴などを思わせる香りと味わいになり面白かった。
知り合いにはこのスモーキーさやスパイシーさは酵母の特性ではという人もいるけど、わたしはまだ判断できない。
大納川 天花のおすすめ酒
天花は何と言っても赤ラベルの秋田酒こまちがおすすめ!

澄んだ甘い果実香で、ピチピチクリアジューシー。とてもキュートなお酒。
こちらは開栓後の変化も穏やか。
泡好きはスパークリングもいいと思う。開栓当日にフルーツ香がしない場合は2日目、3日目とようすを見ながら飲んでいると、いちご狩りでべたべたになった手のような甘い香りになって感動した。
天花を・・・
楽天市場で見る/ヤフーショッピングで見る
現在は秋田でも普段から購入している会員向けになっていたりと手に入りにくくなっているようです。
わたしは天洋酒店で購入しているけど、高留酒店や菅久商店でも買える。県外はいせや君島商店。
▽こんなのも書いてます▽
・定価で買える!【日本酒好き(ガチ勢)おすすめ地酒】ランキング
・日本酒好きが選ぶ【通販でも買える人気銘柄】47都道府県
・【個性的な味の日本酒】日本酒オタクがまとめた